学部概要

About This Faculty

創設経緯

インターネットが張り巡らされている現代社会においては、それまでは関わりがないと考えられていた物事も、思いもよらないことがきっかけとなって、つながってしまう可能性があります。学問の世界も同じです。例えば、「外/内」など、物事を二分化する考え方にも変化が求められるようになりました。それまでは切り離されていた異なるものを融合させ、その化学反応から次世代を切り開く新しい知が生まれることが期待されているのです。

このような時代の変化に対応するため、琉球大学では、2018年度(平成30年度)から、法文学部の4専攻、そして観光産業科学部の2学科の組織を再編して 「国際地域創造学部」とし、未来志向型の新たな教育カリキュラムがスタートしています。

私たちの考える「未来志向型の教育」とは、地域性と国際性を合わせた複眼的思考によって、「地域振興」、「産業振興」、「文化振興」に貢献できる人 材の育成をめざす教育です。そのカリキュラムの最大の特徴は、入学から専門教育(プログラム)に入るまでの期間(昼間主では3学期間、夜間主では2学 期間)、「観光学」、「経営学」、「経済学」、「語学」、「地理学」、「歴史学」、「人類学」といった分野から横断的に学ぶことができるしくみにな っているという点です。多様な専門分野は、これまで個別に発展してきました。しかし、これからの時代は、多様な専門分野の融合を図り、より幅広い視 野から問題解決に取り組む能力が求められます。学問的知見にもとづく論理的思考と、それを応用できる実践力を培う「国際地域創造学部」の教育カリキ ュラムは、学生の視野を広げ、自律的な問題意識の形成を促し、問題解決力を向上させることを主眼としています。

また、専門教育課程でどの履修プログラムに進むかが決定した後でも、意欲があれば、異なる分野の専門知識に触れることも可能です。同じ学部の異なる 専門知識を持つ学生との積極的な知的交流から、将来につながる人的ネットワークを築くこともできるでしょう。このように本学部では「知のかけ算」が できるよう、様々な工夫が構想されています。

学部長より

国際地域創造学部長

吉本 靖

YOSHIMOTO Yasushi

地域の垣根を越えて世界中の人々とリアルタイムで交流することができるようになった現代、私たちの生活は目まぐるしく変化してきています。遠く離れた存在に感じられた人たちとも、その気になれば画面を通して顔を見ながら話をすることができる、非常に便利な時代を私たちは生きています。その一方で、世界中に溢れている情報の中からどの情報を拠り所にするのか見極めることがますます重要になっています。国際地域創造学部ではその拠り所となる情報を提供し、学生の皆さんの卒業後の生活の礎となるような教育を提供しています。

沖縄や日本など様々な地域で見られる生活の営みや社会の現状・課題を深く理解し、地域振興・産業振興のあり方を考えること。同時に、外国語運用能力を高め、欧米をはじめとする世界各国の言語・文化・歴史に対する造詣を深めること。これら学際的な学びを通して持続可能な世界の構築に向けて我々がすべきことを考え、未来を創造していくことができる学部、それが国際地域創造学部です。“Island wisdom, for the world, for the future”という琉大のタグラインどおりにこの小さな島々の叡智を大切にし、それを世界的な視野で捉え直し、より良い世界とより良い未来に貢献すること。それが私たちの使命です。

国際地域創造学部には「観光地域デザイン」、「経営」、「経済学」、「国際言語文化」、「地域文化科学」の5つのプログラムがあります。その中の「経営」、「経済学」、「国際言語文化」プログラムには夜間主コースもあります。学生の皆さんは入学後の最初の1年間(夜間主の場合)、あるいは1年半(昼間主の場合)は、これらのプログラムの提供する共通基盤教育科目を受講し幅広い専門分野に接していきます。様々な講義を受講する中で自分の目指すものをより明確にしていき、2年次前期(夜間主の場合)または2年次後期(昼間主の場合)から特定のプログラムに所属し、複眼的思考の上に立つ専門的な学びを深めていきます。

大学には行きたいけど何を学びたいのかまだ具体的には分からない、そういう人でも入学後に専門を絞っていける柔軟性が当学部にはあります。もちろん入学前にやりたいことが明確になっている人も大歓迎です。琉大だからこそ得られるローカルな叡智を身につけ、それを基にグローバルにも活躍していきたい人の入学を心待ちにしています。

学部構成

平成30年度より、旧観光産業科学部と旧法文学部を再構成し、新たに国際地域創造学部と人文社会学部へと改組されます。