カリキュラム

Curriculum

観光地域デザイン

地域社会が抱える課題を的確に把握・分析する能力と、
観光にかかわるマネジメントの問題解決を行う能力の習得を図ります。

 本プログラムは、グローバル化時代を見据え、持続可能な開発に資する人材、高い学士力を身につけ、現代社会で創造的に活躍できる人材を育成することを目的とします。

観光地域デザインプログラムとは、ビジネス、政策、資源管理、地域開発など様々な領域から学際的に「観光」「地域」「観光と地域の関係」、あるいはそれらの成り立ちや振興を考える学問領域です。本プログラムでは、サステナブルツーリズム(持続可能観光)のコンセプトを基盤に、「観光ビジネス&ウェルネス」「観光地開発」「地域資源マネジメント」を核とした専門科目を提供し、上述の成り立ちや振興を探究していきます。

2年次後期から始まる本プログラム独自のカリキュラムにおいては、コミュニケーション能力を高めるために英語運用能力と情報処理能力の向上を重視した科目を提供します。同時に、観光や地域デザインに関する専門科目を提供します。併せてキャリア開発のための科目及び、より高度な観光と地域デザインに関する専門科目を提供し、問題解決を行う能力の習得を図ります。

観光地域デザインプログラムの教育特徴

  1. 持続可能な観光(サステナブルツーリズム)のコンセプトを基盤としています。
  2. 観光産業のグローバル化に対応し、実践型教育のみならず外国語、特に英語教育を重視しています。正規留学の連携協定大学をはじめとする多様な留学の機会も活用することが可能です。
  3. 学際的アプローチを採用し、総合大学である琉球大学がもつ資源を最大限に活用し、学問の垣根を越えた教育を提供します。

活動状況

ホテルや市町村と連携したウェルネスプログラムの開発

荒川雅志(社会医学/ウェルネスツーリズム教授)

ポストコロナの新しい観光とは?この問いに私たちは従来の観光からの脱却、観光は「非日常」から「日常の延長」という新たな視座を提案し、都市生活と地方・リゾートを結ぶ新たな関係人口創出、高付加価値型観光への転換としてのウェルネスツーリズム研究開発を行う唯一の研究室です。「身体の健康、精神の健康、環境の健康、社会的健康を基盤にして豊かな人生(QOL)をデザインしていく生き方、自己実現」(荒川,2017)という最新のウェルネスの定義提唱をもとに、健康医療分野をはじめ、スポーツ、食と農、美容、環境、ファッション、デザイン、文化、ITなど様々な分野と「観光」との融合、多業種、多職種、異業種連携による次世代のサービスイノベーションを起こすプラットホームとしての社会実装拠点形成を目指しています。こうした産官学連携の実践研究を「生きた学び」の場としてゼミ生には積極的に関わってもらいながら、若い世代の視点による独創的アイデアに仮説設定のヒントを得て、適切な研究手法の検討と遂行、成果物としてまとめます。

 健康と環境の共生を志向するウェルネスは世界中で成長著しい産業で、SDGsとも親和性が高く、ウェルネスSDGs人材育成プログラムという持続可能な開発と地域の発展に寄与する研究課題にも県市町村と連携して取り組んでいます。

コミュニティデベロップメントをゴールとした観光のあり方を考える

越智正樹(観光社会学教授)

観光学において「観光まちづくり」という言葉は、tourism-based community developmentと訳すのが一般的です。これは逆に直訳しなおすと、「観光を基盤としながら(観光を重視しながら)達成するコミュニティデベロップメント」ということ。つまり観光まちづくりにおいて、もちろん観光はなくてはならないものですが、あくまで主眼となるのはコミュニティデベロップメントなのだということです。コミュ二ティデベロップメントとは、社会・経済・環境などにおける総合的な公正さや健全さを目指すものです。いったいどのような類いの観光がどの程度あれば、その地域は上記の公正さや健全さを高めることができるのでしょうか。観光社会学はこのような課題意識のもとに、各地の実例を調査しつつ、実現可能で実効性のある観光まちづくりの仕掛けや工夫のあり方を考えています。

「場:フィールド」と「接点:インターフェイス」の役割

島嶼ベンチャービジネス研究室:片岡ゼミ

 片岡ゼミでは、観光ビジネスにおける「場」「接点」の機能について学ぶことを目指しています。学科の学生の多くが、卒業後の進路として観光等サービス業を選択します。サービス業においては、顧客に「場」を提供し、顧客との「接点」を持続的に維持する事が重要になります。学生は、これまで「場」や「接点」の利用者であり、提供側としての経験は多くはありません。片岡ゼミはそのシミュレーションの場としてゼミ活動を位置付けています。具体的な活動としては、大学祭でのカレーショップの企画・運営、ゼミ対抗ボーリング大会の企画・運営、冬季キャンプの企画・運営等を行ってきました。これらの活動を通して、サービス業における「場」や「接点」の重要性・機能につき、体験と知識を獲得しています。

データ・サイエンスの視点から学ぶ観光

金城盛彦(観光経済学/データサイエンス教授)

 「世界規模でみれば自動車産業より大きな“観光”を沖縄経済の自立をめざして学んでみませんか」 国連によると、世界規模で見れば“観光”は自動車産業より大きく、労働者の10人に 1人は観光産業で働いています。観光を学べば、世界デビューも夢ではないかもしれません。一方、資源や国土が足りず、工業化が難しい発展途上地域では、観光は主要な地域振興策になっています。沖縄も同様です。沖縄経済の自立には、県外から利益をあげる必要があります。原料の大半を県外から調達していて、利益の多くが結局、県外に漏れてしまう産業が多い中、観光客が使ったお金はすべて、県外から得る利益となります。外国人が日本車を買えば輸出(海外から得る利益)となるのと同様です。また、本学には観光政策の立案やホテルマネジメントの現場経験が豊富な教員もいます。「国の風物を内外に示す」という“観光”の由来とは別に、地域振興の視点から“観光”を学ぶことで、沖縄の自立について考える。本学ならそれが可能です。

教員一覧

学生の声

家田 侑さん(観光地域デザインプログラム4年)

観光と聞くと旅行業という印象がありますが、このプログラムでは、環境・心理・健康など多角的な視点から観光と地域を学ぶことができます。特にこのプログラムの特徴である学外実習と発表機会が多いことは、生の現場の声やフィードバックをいただけるので、学内だけでは気づけない視点や学びを得られます。私も様々な実習先で得た視点を、専門学習はもちろん、副専攻や海外交流ボランティアにも活かすことができました。将来においても同じように、この学びの成果は様々なところで活かせると思います。

学生の主な就職先(観光産業科学部 観光科学科実績)

業界社名
宿泊・ブライダル業ザ・テラスホテルズ、かりゆし、前田産業ホテルズ、杉乃井リゾート、オリエンタルヒルズ沖縄、プリンスホテル、オキナワマリオットリゾート&スパ、琉球ホテルリゾートオクマ、ラグナガーデンホテル、ホテルムーンビーチ、ワタベウェディング、ウェディングアンドゥ・フィー、エステドヒロ、WBFリゾート沖縄、等
旅行業JTB 沖縄、トップツアー、沖縄ツーリスト、ジャンボツアーズ、ワールドツアープランナーズ、郵船トラベル、近畿日本ツーリスト、HIS沖縄、等
運輸・航空業全日空(ANA)、日本トランスオーシャン航空(JTA)、CKTS、JAL スカイ名古屋、エアー 沖縄、三洋航空サービス、ヤマト運輸、等
情報・通信業NTT 西日本、沖縄タイムス、琉球放送、ソフトウェア興業、ウィルコム、パム、テレコムクレジット、国際システム、創和ビジネス・マシンズ、サイバーエージェントアドマネジメント、ラジオ沖縄、琉球新報開発、セブテーニ・ホールディングス、楽園計画、株式会社バム、等
複合サービス事業日本郵政グループ、JA、沖縄電力、国建、ランドブレイン、プレック研究所、地域科学研究所、等
金融・保険業日本銀行、シティバンクジャパン、琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行、損害保険ジャパン、大正銀行、西京銀行、コザ信用金庫、沖縄振興開発金融公庫、等
サービス業スカイホールディングス、吉本興業、NEO デザインスタジオ、共栄、 R-PROJECT、ベンチャーバンク、リクルート中国(上海支店)、ユニバーサルスタジオジャパン、等
製造業サントリー、日立製作所、横浜ゴム、等
建設・住宅業住友林業 OSG、等
卸売・小売業リウボウストア、サンエー、西友、イオン株式会社、沖縄伊藤園、等
健康医療・福祉豊見城中央病院、フィットネスプロモーションジスタス、カンナタラソラグーナ
公務内閣府沖縄縄総合事務局、国税庁、出入国管理在留管理庁、沖縄県庁、沖縄県教育庁、那覇市役所、糸満市役所、豊見城市役所、名護市役所、等
大学院進学ハワイ大学、コンケン大学、東京都立大学、琉球大学 等

大学院進学

観光地域デザインプログラム」昼間主コースの卒業要件

  • 卒業単位は合計124単位以上とする。
  • 共通教育科目は30単位とする。
  • 専門科目は94単位以上とする。詳しい科目内容は近日公開。